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ソフトウェアが、命を救う時代に

更新日:10月17日


メッシュウェル

今回は、「生命を探求し、新しい価値を創造する。」というスローガンの元、医療・創薬などライフサイエンスにおける画像データを正しく活用し、エンジニアリングで生命の未来を創造するエルピクセル株式会社様を独占取材しました。代表取締役鎌田富久様、取締役福田明広様の両名にお話をお伺いし、エルピクセル株式会社が何をしているのか、今後何を成し遂げていくのか、そして私たちの未来にどういったイノベーションが起こっていくのかを深掘りしていきます。



鎌田富久氏プロフィール:

東京大学大学院 理学系研究科情報科学 博士課程修了。理学博士。東京大学在学中にソフトウェアのベンチャー企業ACCESS社を設立(共同創業者)。組み込み向けTCP/IP通信ソフトや、世界初の携帯電話向けウェブブラウザなどを開発。携帯電話向けのコンパクトなHTML仕様「Compact HTML」をW3C(World Wide Web Consortium)に提案するなど、モバイルインターネットの技術革新を牽引した。2001年に東証マザーズに上場し(現在、東証プライム)、グローバルに事業を展開。2011年に退任。その後、スタートアップを支援するTomyKを設立し、ロボット、AI、人間拡張、宇宙、ゲノム、医療などのディープテック・スタートアップを多数支援。2020年より、医療AIのACCESS社 代表取締役に就任。



福田明広氏プロフィール:

大学では、光学システムの開発や画像処理の研究を行い、大学院在学中に人間ドック施設にて診療放射線技師として従事。

その後、キヤノン株式会社に入社し、カメラ向けの画像処理技術の研究開発に従事。

2017年にエルピクセル株式会社に入社し、アルゴリズムエンジニアとして複数のプロジェクトでアルゴリズム開発に関わった後、2021年にプロダクトマネージャーに転向。

2022年よりプロダクト本部のゼネラルマネージャーとしてプロダクト開発全般を担当。

2023年より、取締役COOに就任。


目次


 

エルピクセル株式会社の概要と使命とは?



エルピクセル株式会社についてお伺いできますでしょうか?

私たちは生命を探求し、新しい価値を創造するというミッションを掲げています。
人類、社会は豊かになり、私たちの周りには様々な製品やサービスが溢れていますが、世界80億人の共通の課題、誰もが欲しいもの、それは健康ではないでしょうか。 私たちは、ソフトウェアとAIを応用して、健康を実現するべく医療の質の向上と効率化を目指しています。

エルピクセル株式会社のサービスを教えてください。

医療、ヘルスケアの分野にAIを応用して2つの製品ソリューションを提供しています。1つは医療画像診断支援AI、もう1つは製薬プロセスを効率化するソリューションになります。

サービスに対する想いを教えていただけますか?

私はコンピューターサイエンスが専門で、ソフトウェアの分野をずっとやってきました。ソフトウェアの応用先として、これまでは業務ソフトやITツール、インターネットやエンタメの分野で大きく発展してきたと思いますが、いよいよライフサイエンスと結びついて、ソフトウェアが人の命を救えるかもしれないという大きな可能性を感じています。この分野に興味のある人たちとともに発展させていきたいと考えています。

 

提供するサービスについて



医療画像診断支援AIサービスの詳細をお伺いできますか?

胸部X線やCT、MRIといった医療画像から病変が疑われる箇所をマークすることで、医師の診断をサポートしています。 日本は他国と比較して放射線科医の数が少なく、業務量が多くなっています。また、都道府県間の格差があることも課題となっています。AI画像診断ソフトウェアが医師の診断をサポートすることで、効率化を図りつつ、医療の質を高めることを目指しています。
私たちの強みは、AIの開発から医療機器としての承認、認証の取得、販売まで一貫して自社で行えることです。 これにより、製品企画から販売までスピーディにサイクルを回すことができ、日々進化している最新技術や医療現場の課題を取り入れて製品をバージョンアップしています。

どのような方々にご活用いただいているのでしょうか?

医療画像管理システムを開発するメーカー、医療画像の撮像装置を作るメーカー、他の医療AIを開発するメーカーなどと連携することで、どんな医療機関でも導入いただけます。また、幅広い販売ネットワークを有することも特徴です。私たちの画像解析AIは、創薬の領域でも活用されています。 創薬は様々なフェーズで成り立っていますが、私たちが提供する「IMACEL(イマセル)」は、そのすべてのフェーズに対してAI画像解析で支援しています。

創薬の様々なフェーズに対して、具体的にどの様な価値提供をされているのでしょうか?

探索フェーズでは、薬の種となる化合物を投与された細胞の形態変化をAIが解析、評価することで、薬の応答性を評価します。これによって、これまで研究者が目視で行っていた作業を自動化、効率化することができます。
安全性、有効性を確かめる段階では、薬剤を投与されたマウスの異常行動をAIが検知します。運動量など、実験評価を定量化することが可能となります。臨床試験の段階においても、AIが病理画像や放射線画像の解析を行うことで、見落とし防止や副作用の早期発見など、臨床試験の成功をサポートします。

 

今後のサービスの展望について



医療画像診断支援サービスの実績と今後の展望を教えていただけますか?


私たちの実績としては、医療機器製造販売承認認証を取得した製品が9つあります。これらの製品の医療機関への導入は、2024年6月時点で累積800施設を超えています。また、大手製薬会社やアカデミアなどとの共同プロジェクトは100以上となっており、 現在、診断支援AIでは頭部・胸部・大腸の3領域にまたがって展開していますが、 今後は全身の主要な疾患に支援対象を広げていくことを目指していきます。
診断支援AIは、定期的なバージョンアップによりタイムリーに最新技術を医療現場に届けることを特徴としていますが、今後、効率的で安心な医療を実現できるよう、さらに機能追加等のバージョンアップを繰り返して製品を進化させてまいります。また、海外展開も積極的に目指しております。 
特に、人口増で今後、医師不足、医療の質向上が大きな課題になると考えられる東南アジアを中心に海外展開を推進しており、一部の製品ではすでに医療機器としての承認を取得しております。 分野としても、創薬支援AIと診断支援AIの2つのビジネスがありますが、今後はシナジーを生かし、現在の創薬支援、 診断支援以外にも、予防、診断、治療と、医療のあらゆる分野にAIによる支援を届けていくことを目指してまいります。

様々な質問にお答えいただきありがとうございました!


 

エルピクセル株式会社様の企業情報はこちらをご覧ください。

 


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