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7割以上が外国籍人材 世界的有名企業出身者も在籍のスタートアップ企業


株式会社テーブルクロス

今回お話を伺ったのは、訪日外国人旅行者(以下、インバウンド)のためのワンストップの食のプラットフォームとなることを目指し、食体験の予約や英語でのレストラン予約サービス「byFood.com」を提供する、株式会社テーブルクロス(以下、テーブルクロス)の経営陣を含む多様なバックグラウンドをお持ちの社員の方々です。

プロフィール:


Elizabeth Johnsonさん:インド出身、プロダクトマネージャー兼製品責任者。10年以上にわたってGoogle各国拠点(サンフランシスコ、インド、シンガポール、日本)を経験。Mavenプロダクト・リーダーシップ・ブートキャンプを修了し、現在フランス語と日本語の語学学習を続けている。仕事以外では、コンテンポラリーダンス教師や、フラワーデザインのワークショップ、陶器製作を嗜む。


Serkan Tosoさん:トルコ出身、byFood.comの共同設立者兼COOとして、会社の戦略的成長、組織運営、パートナーシップをリード。休日は家族と時間を過ごし、バドミントンが趣味。


Nila Oktaviantiさん:インドネシア出身、カスタマーサポート・マネージャー。大学では観光とホスピタリティを選考。日本の観光業界で13年の経験を持つ。趣味は、旅先でのグルメを発見したり、ギターを弾くこと。


Sho Kitaiさん:ソリューションセールス・プロジェクトマネジメント部長。中堅旅行代理店での営業やチームマネジメントを経て、Booking.comをはじめとするデジタルプラットフォームやオンライン広告、SaaS系企業での勤務経験を通じ、旅行業界の構造や、デジタルマーケティング、インバウンドに関する知見を深める。さらに、Meta(Facebook Japan)では旅行業界と消費財業界のClient Partnerとして、Instagramの日本における成長に貢献。


目次

 

はじめに、Elizabethさんにお話を伺いました。


株式会社テーブルクロス

Elizabethさんのこれまでのキャリアについて教えてください。

私は元々インド出身で学業のためアメリカに渡り、その後ほとんどのキャリアをサンフランシスコで過ごしました。最初の仕事はPwCグループで、Salesforceプラットフォームに関するコンサルティングを行っていました。2年後、Googleのサンフランシスコ拠点で採用され、広告プラットフォームに約3年間携わりました。
私はあらゆる機会を逃したくないタイプの性格のため、その後また拠点を変えシンガポールのGoogleに移りました。ここではハードウェアの製品ローンチの役割を担い、Google HubやChromecastといったデバイスの開発に携わりました。また、シンガポール、インド、東南アジア、オーストラリアのAPAC地域におけるプロダクトローンチ戦略を担当しました。


日本に来られた理由を教えていただけますでしょうか?

シンガポールでのハードウェア製品開発で培ったスキルをIoTやスマートホーム技術に転用し、スマートTVやスマートデータの市場が伸びているGoogle Japanに配属されました。
Googleを辞めた後、今度はスタートアップに携わりたい、自身でスタートアップを立ち上げたいという思いから、東京でインドの郷土料理のサブスク型お弁当配達サービスを始め、インドカレーを作っては、美容院などの店舗に配達していました。


数ある日本のスタートアップ企業の中で、なぜこの会社に参加することを決めたのですか?

Googleは非常に多様性溢れる環境で私にとってもとても心地が良かったため、同じように国際的な会社で働きたいと思っていました。LinkedInでテーブルクロスを見つけたとき、日本人女性の創業者がいる点や経営陣に外国籍メンバーがいることに興味を惹かれ、チームの構成にも興味を持ちました。実際に会ったとき、エンジニアがトルコでリモートワークをしていたり、新しいメンバーがコンゴやアルジェリアから来ることを知り、この多様性がビジネスにおいても創造的な価値を生む可能性が高いと感じ、入社を決意しました。3つ目はインバウンドに販売する商品の単価が国内で1番高いプレイヤーであることです。
弊社では1人あたりの客単価が1万5000円を超えてきており、他のOTAと比べて倍以上の客単価です。したがって高単価の商品を取り扱う企業が集まってきます。こうしたニーズが比較的強い企業さんに関しては、当社にご要望いただくような流れが増えてきていると思います。


アメリカの労働文化と日本の労働文化の違いについて教えてください。また、この会社が一般的な日本の会社とどう異なるかについても詳しく教えてください。

アメリカでは、特にサンフランシスコのスタートアップが活発な環境に身を置いていました。例えば、Tinderが創設された際には、私がよく行っていたバーで、創業メンバーが私たちに声をかけ、共にアイデアをディスカッションしたり要件をまとめたりというエピソードもあります。サンフランシスコは非常にスピーディーで競争が激しい環境でした。その緊迫感が好きでしたし、それが私自身の成長スピードを加速させたな、とも思います。
その後、人種のるつぼでありアジアの中でも特殊な国であるシンガポールに移住しました。例えば銀行に行く前に携帯電話から予約チケットを発行できたりと、国全体のスピード感の速さに驚きました。
日本に関しては、特に細部や品質に強いこだわりがあり、例えば製品にバグがある状態でのローンチは許されません。そのため、より慎重かつ時間のかかるアプローチが求められ、スタートアップの「まず試して後で改善する」というマインドセットからは遠ざかる傾向にあるのかなと思います。


 

COOのSerkanさんにお話を伺います。


株式会社テーブルクロス

テーブルクロスの組織について教えてください。

現在、私たちの会社には70名以上のメンバーが在籍しており、皆それぞれ多様なバックグラウンドの出身です。特にソフトウェア開発のチームメンバーの中には、トルコやアルジェリア、コンゴなどの国からリモートで働いている人もいます。また、カスタマーサポートチームも非常に国際的で、主にフィリピンやインドネシアのメンバーで構成されています。
私たちのコアバリューの一つは多様性とイノベーションであり、採用時に個人の出身や性別を気にすることはありません。


社員の皆様の言語力や趣向性について教えてください。

日本のクライアントと直接コミュニケーションを取るビジネス開発チームは、主に日本人で構成されており、皆ビジネスレベルの英語を話せます。私の経験からも言えることですが、日本のレストランやホテルのクライアントは外国の旅行者などと接する際に言語の壁に直面することが多いです。
そのため、英語を話すことができ、グローバルな視点を持つ日本人社員の採用に力を入れています。コンテンツおよびマーケティングチームは、日本文化を深く理解している外国人社員で構成されており、彼らの協力により、海外市場に対しても日本文化の美しさを発信することができます。チームのほとんどのメンバーが日本文化や料理を愛しており、これが海外市場へのマーケティングという業務に対する彼らのモチベーションとなっています。


組織として共有している価値観は何ですか?またその価値観を浸透・促進させる仕組みはありますか?


イノベーションを促進することも、私たちが大切にしている価値観の一つです。
「もしアイデアがあれば、内に秘めずに共有して欲しい!」と常に社員に伝えています。日本の労働市場、特に大企業では、新しいアイデアがしばしば拒否されることがあると私自身の経験からも実感しています。クリエイティブな思考とアイデアの共有を促進するために、定期的にブレインストーミングセッションを開催し、参加者は自由に考えを共有でき、そのアイデアを評価した上で意思決定を行います。
また、コアバリューの一つは「幸福を育む」ことです。CEOの城宝が以前のインタビューで述べたように、”Food for Happiness”というプロジェクトを通じて、予約が入るたびに発展途上国の子どもたちに10食分の学校給食を寄付しています。この取り組みは、私たちがこのビジネスを営む主な理由の一つです。このプロジェクトによって、インバウンド旅行客が日本の食を楽しむと同時に、世界中の子供たちを間接的に助けることができ、これまでに約69万食を寄付した実績があります。このプロジェクトとByfoodのプラットフォームを通じて、私たちはお客様、パートナー、そして社員全員が幸福を感じられる環境を作ることを目指しています。

 

カスタマーサポートチームのNilaさんにお話を伺います!


株式会社テーブルクロス

自己紹介をお願いいたします。

カスタマーサポートチームのマネージャーをしているニラです。もともとインドネシア出身ですが、今から11年前の2013年に日本に移住しました。


日本のどのようなところが好きですか?また、なぜ日本に来ることを決めたのですか?

母がもともと20年間日本に住んでおり、私も一度来日することを提案されました。到着してすぐに日本の文化や人々、働く姿勢に恋に落ち、そのまま留まることに決めました。来日する前に、日本の厳しい労働環境について多くの噂話を聞きましたが、私のテーブルクロスでの経験上それは当てはまりません。この会社は私にとって本当に充実した環境です。


以前働いていた他の会社との違いは何だと思いますか?

テーブルクロスではワークライフバランスがとても充実していると思います。多くの旅行会社では、業務が多く残業も一般的で、週末や祝日に働かなければならないことが多いですが、ここではチームの分け方などによりバランスよく保たれています。


カスタマーサポートマネージャーとしての毎日のルーティンを教えてください!

まずは毎朝、前の晩に夜勤メンバーが働いている間に発生した問題などを確認します。その後、チームメンバーの質問に答え、その日の改善が必要な点について話し合います。例えば、レストランに関するゲストの苦情についての問い合わせの対応方法などです。毎日臨機応変にケースバイケースで問題や課題を解決する方法を考えることが求められます。


今後日本に来るゲストや旅行者にメッセージはありますか?


日本は世界的に見ても卓越したホスピタリティで知られている、とても特別な国です。
日本のレストランやホテルは、お客様に最高のサービスを提供することを目指し、そのため例えばレストランの従業員は、毎朝早くに市場に行き、その日の新鮮な食材を確保し準備する必要があります。これを言い換えると、他の国のようにすべてが柔軟で、直前に予定を変更してしまうと、本来レストランやホテルが届けたかったサービスを受けられなくなってしまいます。
私たちのコンシェルジュとカスタマーサポートチームは、ゲストが日本で素晴らしい旅行体験を過ごせるよう、レストランや事業者とカスタマイズしたプランを設計し、思慮深くゲストに配慮することを心がけています。その体験を届けるために、今後日本に来る予定の海外の旅行者の皆様には、出発の数ヶ月前にご連絡いただくことをお勧めします。

 

最後に、プロジェクトマネジメントチームのKitaiさんにお話を伺いました!



Kitaiさんのご経歴をお話いただいてもよろしいでしょうか。

私のキャリアのバックグランドは旅行業界です。新卒では旅行代理店に入社し、その後、Booking.comが日本に拡大するタイミングで参画し、その後外資の広告運用ソリューションを提供しているCriteoにおりました。その後はリクルートホールディングスに買収されたトラベル系のSaaSベンダーの日本の参入をお手伝いし、テーブルクロスに入社する前はMeta社(Facebook japan) に6年間「旅行業界、消費財業界」の専任担当者として勤めておりました。


現在のテーブルクロスさんでのミッションを教えてください。

私は2024年の8月の頭に入社し、今はプロジェクトマネージメントチームのマネージャーをしております。我々の会社のセールス部門は大きく4つのチームに分かれており、プラットフォーム上に掲載するレストランと契約をしたりフォローアップするレストランチーム、旅行客に向けツアーを増設したりホストと調整を行うエクスペリエンスチーム、そして官民問わず大型案件の営業を行うソリューションセールス 、その仕事を取ってきた後に実行するプロジェクトマネジメントチームがあります。
私は4つ目のプロジェクトマネジメントチームのマネージャーに従事しております。顧客としては大手飲料メーカー様や、弊社の投資家でもあるJTB様とインバウンドのガストローツーリズムの案件をご一緒させていただいたりしております。


ご入社されて1ヶ月の間に感じられたことや、入社前と後のギャップがあればお聞かせください!

入社してから、旅行商品を考案するスペシャリストだったり、海外で起業したことがある人だったり多様なキャリア、バックグラウンドを持つ社員と話すと面白く、とてもワクワクします。
最初ボードメンバー3人と会い、さらに現場の人間と話していくと、日系のスタートアップとはいえ、私が元々いた外資系のカルチャーと近しいものがあるなと感じます。今日もラフなこの服装で出勤して働いていますし、自分自身にマッチしているなと思います。
びっくりした点をあえて挙げると、大手の企業ではやはり自分の担当できるところの領域が狭くなりがちなので、弊社のようなスタートアップではジョブディスクリプション以上の仕事をやる楽しさと大変さを実感しました。


官民問わず大手企業様に対してのテーブルクロス様が提供できる価値や、強み、今後取り組んでいきたいことを教えてください。


官民の方々とお話をして、こんなニーズがあって、インバウンド旅行客に対してこういうことをやりたいというご期待に対して、我々は例えばYouTube動画の制作のクオリティをはじめとした強い武器を持っており、それをお客様のニーズに合わせることが強みだと思っています。
また、まだ弊社がソリューションとして確立できていないことに対しても、お客様の期待にニーズに合わせ提案と構築ができるメンバーがいることです。私のいるプロジェクトマネージメントのチームはまだ4人の体制なのですが、全員が非常に前向きでお客様にヒアリングをし、ソリューションを考え続け、それを繰り返すパッションを持ち合わせています。
たまたま私が後からマネージャーとして入りましたが、素晴らしいメンバーが揃っているチームのマネージャーをさせていただいてるので、私のこれまでの経験から培った強みをインプットして、より強いチームにするにはどうしたらいいかを考えていきたいですね。


社員の皆様、様々な質問にお答えいただきありがとうございました!

 

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